KYB製インナーパイプ径Φ38正立フロントフォークです。
GPz750は1983年から1985年まで生産されました。
1976年に誕生したZ650のエンジンを進化改良しながら継承したモデルとなります。その後、このエンジンは1990年にZEPHYR750として復活して、受け継がれました。
このGPz750には80年代当時、ファクトリーマシンにも採用され、市販車でも流行した「AVDS」アンチノーズダイブシステムの装着されたフロントフォークが装着されています。
このアンチノーズダイブシステムは、フロントフォークのアウターパイプボトム下端に装着された小型のプランジャー室に、ブレーキキャリパーへとつながるブレーキホースの途中から分かれた油圧ラインが接続されており、通常は、デバイスなしのサスペンションと同じ動きしますが、ハードブレーキング時には、ブレーキホースからの油圧によってプランジャーが押し出されます。押されたプランジャーはフロントフォーク内のオイル流路を遮断し、フロントフォークが深くボトムしないように作用します。それによって、ハードブレーキ時でも安定したフロントフォークの動きが得られると言うものでした。
現在ではフロントフォークの性能が大幅に向上して、このようなデバイスに頼ることなく安定したサスペンションの動き、ハンドリングを得られるようになったことから、絶滅したシステムとなりましたが、また、いつかカタチを変えて私たちの前に現れるかも知れませんね。
今回は。そのAVDSを含めてフルメンテナンスさせていただきました。約20年前のマシンもサスペンションをリ・フレッシュすることで驚くほど蘇ります。
フロントフォーク (KYB 正立)
フルメンテナンス :¥29,040-
(基本交換パーツ、オイル、パーツ超音波洗浄/計測/研磨を含みます。)